立春
春最初の二十四節気。旧暦のお正月とも重なる事から一年の始まりでもあります。一年の始まりと言うこともあり、豆まきや恵方巻き、イワシは食べたり頭を柊の葉とともに玄関に飾り魔よけにしたり。他にも立春朝搾りの日本酒や豆腐等、前日の節分(大晦日にあたる)を含め様々な風習や縁起の良い食べ物があります。
また「立春大吉」のお札はご存知ですか?禅寺の習慣だそうですが厄除けに玄関や神棚の目線より高い位置に飾り翌年の立春に貼り替えるそうです。檀家でなくても自分で書いて飾っても効果はあるそうです。その際は神様を傷つけてしまう事になるので、くれぐれも画鋲等で留めない事、ご飯粒や両面テープ等で貼りましょう。
初侯:東風解氷 はるかぜこおりをとく
2月4日〜2月8日は立春の初候、東風解氷(はるかぜこおりをとく)です。「東風」は「こち」と読み、東から吹く春風の事。暖かい春風が川や湖の解かし始める頃。今年は特に暖冬だからでしょうか、日中は暖かい日もあり寒さの中にも少しずつ春を感じる事があります。七十二候の第一候、いよいよ春の始まりです。
小田原・曽我梅林にて(2018年2月)
次候:黄鴬睍睆 うぐいすなく
2月9日〜2月13日は立春の次候、黄鴬睍睆(うぐいすなく)です。鴬が里山で鳴き始める頃。「睍睆」は「けんかん」と読み声が美しい様子を表す言葉です。鴬は早春に鳴き始める事から「春告鳥」の別名があり、その年初めてのさえづりは「初音」と言うそうです。
また、鴬色と使われる事がありますが、私自身少し暗めの黄緑色の様な明るい色をイメージしていたのですが、実際はもっと暗い抹茶色ないしは茶色に近い色だそうです。初鳴きを聞いたら、ぜひ一目見て確認してみたいなと春を待つ楽しみができました。
ウグイス
末候:魚上氷 うおこおりをいずる
2月14日〜2月18日は立春の末候、魚上氷(うおこおりをいずる)です。凍っていた川や湖の氷が割れ、氷下の魚達が氷の隙間から飛び跳ねる頃。うぐいすの春告鳥のように、魚にも春告鳥があり、メバル・ニシン・サワラ・ヤマメ・イカナゴ等が挙げられるそうです。地域によって特色がありそうですね。私は関西の母の知人からイカナゴのくぎ煮が届くと春が来たねと会話をした思い出があります。
どの季節にも思い入れはありますが、草木が芽吹いていく様子を見ると、特に春はワクワクして気持ちが明るくなり、大好きな季節です。
おすすめ!小田原・曽我梅林の梅まつり
これぞ春という満開の桜も好きですが、まだ寒さが残る今の時期、美しい光を感じながら梅の花を見るのも大好きです。今まで見た梅の中で、ダントツに印象にのこっているのが小田原・曽我梅林の梅です。JR御殿場線下曽我駅が最寄り駅ですが、なんといまだにSuicaが使えないという陸の孤島ぶり。がんばってたどり着くと、それは見事な梅たちと出会えます。
山の裾の十郎
【二十四節気通信 vol.10】立春 ダウンロード
- 立春 – りっしゅん(2月4日〜2月18日)
- インフルエンザなどの予防のために
― 咳エチケット・,正しい手洗い ―
編集後記
先日、国家試験対策のための解剖学講座を行いました。私はやっぱり教えることも大好きです。国試はひとつの通過点に過ぎませんが、それでも特別の日であることには間違えありません。学生さん達には、一日一日を大切にして、できるだけ知識を吸収しつつ、体調を万全に国試に臨んでもらえたらと思ってます。(黒澤一弘)
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