反射作用による内臓機能調節(骨指標と新デルマトーム/募穴・背部兪穴)

体性内臓反射と内臓体性反射

体表からの刺激は、筋肉の疲労回復や血流増加だけでなく、内臓機能調節にも作用することが生理学的に言われています(体性ー内臓反射)。また、内臓の不調が体表への痛みなどに現われることもあります(内臓ー体性反射)。

体性ー内臓反射を用いて内臓機能調節を目指す場合、適切な神経レベルへの施術が大切になります。ここでは体表から触れられる骨のでっぱり(骨指標)と、脊椎高位の関係、また脊髄神経が体表を支配する分節(デルマトーム)と古代より伝わる経穴(募穴と背部兪穴)の関係性を記します。

臓器機能に効率良く作用できると思われる体表からの部位を推測し、これに丁寧な触れ方による安心感・信頼、大脳を介した作用などを組み合わせて施術を組み立てます。治療テクニックはさまざまですが、解剖生理学は共通です。当治療室の施術だけでなく、世の中の治療に携わる方々のお役に立てたらと思い、掲載いたします。

人体の骨指標と高位

人体の骨指標と高位

骨指標 高位
胸骨上縁 第2〜3胸椎
胸骨角 第2肋骨
肩甲棘 第3胸椎
肩甲骨下角 第7胸椎
剣状突起 第9〜10胸椎
胸郭下縁 第2〜3腰椎
ヤコビー線 第4〜5腰椎
棘突起間
上後腸骨棘 第2正中仙骨稜
上前腸骨棘 第2仙椎
恥骨結合上縁 尾骨

新デルマトームと募穴・背部兪穴

新デルマトームと募穴・背部兪穴

伊藤 樹史, 痛みの逆探知―新デルマトームの作成と応用,ツボとの関係, 全人的医療, 13 (1), 2014, p. 25-38
伊藤 樹史, 新デルマトームの基礎と応用, たにぐち書店, 2019 より一部改変・作図

臓腑 背部
兪穴
取穴 デルマ
トーム
侵害神経
求心路
募穴 取穴 デルマ
トーム
肺兪
BL13
T3,4 棘突起間
外1寸5分
T2 C3-C4
T2-T9
中府
LU1
烏口突起内縁の雲門穴の直下1寸 T2,T3
食道? 厥陰兪
BL14
T4,5 棘突起間
外1寸5分
T3
心兪
BL15
T5,6 棘突起間
外1寸5分
T4 C3-C4
T2-T8(主に左)
巨闕
CV14
前正中線上、臍の上6寸 (胸骨体下端より下2寸) T6
督兪
BL16
T6,7 棘突起間
外1寸5分
T4
膈兪
BL17
T7,8 棘突起間
外1寸5分
T5
肝兪
BL18
T9,10 棘突起間
外1寸5分
T6 C3-C4
T5-T10(主に右)
期門
LV14
第9肋軟骨付着部の下際, 乳頭線と肋骨の交叉部 T7
胆兪
BL19
T10,11 棘突起間
外1寸5分
T6-7 T7-T11 日月
GB24
期門穴の直下5分 T8
脾兪
BL20
T11,12 棘突起間
外1寸5分
T7 T6∼10 章門
LV13
第11肋骨前端下際 T9
胃兪
BL21
T12,L1 棘突起間
外1寸5分
T8 T7∼9 中脘
CV12
前正中線上、臍の上4寸(胸骨体下端と臍の中央) T8
副腎?
生殖器系?
三焦兪
BL22
L1,2 棘突起間
外1寸5分
T9 子宮 T11-L1
前立腺 T10-T12, S1-S3
石門
CV5
前正中線上、臍の下2寸 T11
腎兪
BL23
L2,3 棘突起間
外1寸5分
T10 T10∼L1 京門
GB25
第12肋骨前端下際 T10
気海兪
BL24
L3,4 棘突起間
外1寸5分
大腸 大腸兪
BL25
L4,5 棘突起間
外1寸5分
T12 T11∼L1 天枢
ST25
臍の外2寸 T10
関元兪
BL26
L5 棘突起下縁
外1寸5分
小腸 小腸兪
BL27
第1後仙骨孔の高さ
後正中線 外1寸5分
L1 十二指腸:T6∼T10
空腸・回腸:T9∼L1
関元
CV4
前正中線上
臍の下3寸
T12
膀胱 膀胱兪
BL28
第2後仙骨孔の高さ
後正中線 外1寸5分
L2 膀胱体:T11∼L2
膀胱頸:S2∼S4
中極
CV3
前正中線上
臍の下4寸
L1
中膂兪
BL29
第3後仙骨孔の高さ
後正中線 外1寸5分
白環兪
BL30
第4後仙骨孔の高さ
後正中線 外1寸5分

関連痛出現領域

Health Assessment in Nursing

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