ダイエットにも活かせる仏教の理論 ― マインドフルネス・イーティング ―

近年よく耳にするようになったマインドフルネス。実践することで、集中力や洞察力が増したり1)、脳の疲労がとれたりなど2)、さまざまな効果が認められてきていることから、世界中で広まってきています。ところで「マインドフルネス」という言葉の意味をご存知でしょうか。座禅みたいなもの?それともリラックス法?それらはマインドフルネスのごく一部の側面にすぎません。

マインドフルネスは漢字では「念」と書きます。念は「今」と「心」の二つの部分からなり、文字通り「今、この瞬間に心を向けてありのままに知覚し、経験をする」。つまり一瞬一瞬を丁寧に味わい、生きることと言えます。このマインドフルネスの状態を身に付けるには、何よりも実践が大切です。

座って瞑想を行なうことだけがマインドフルネスではありません。マインドフルネスは日常生活の全ての場において実践可能です。例えば、朝起きたとき。息を吸いながら新しい日が来たことに感謝し、そして息を吐きながら微笑みます。これは「おはよう瞑想」と言われます。人と接する場面では「微笑み瞑想」や「傾聴瞑想」が恩恵をもたらします。これらは息を吸いながら微笑み、息を吐きながら喜びを感じること。そして息を吸いながら相手の話に深く耳を傾け、息を吐きながら愛を持って語ることです。

そして私たちが毎日行なうことで、マインドフルネスを組み合わせることで多大な恩恵が期待できるのが「食事」です。これはマインドフルネス・イーティングと言われ、食べ過ぎを防ぐことで生活習慣病、とくに糖尿病の方にとても効果的であることが報告されています。またダイエットにも素晴らしい効果があることからマインドフルネス・ダイエットという名称で広まりをみせています。

マインドフルに食事をするための7箇条 3)

① 食べ物に感謝する
 食材一つ一つの生産者の事を想ったり、海や山の自然の恵みに感謝することで丁寧に食べることができます。

②あらゆる感覚を動員する
 味覚だけでなく、食材の色や形、食感やお箸で触れる感覚、唇や舌の感覚など、五感をフル活用して、すみずみまで味わいます。

③ 食器によそう量は控えめに
よそう量が多いと、ついつい食べ過ぎてしまいます。控えめによそい、丁寧に食べます。

④ 口に入れるのは少しにし、味わいながら最後まで噛む
食事の目的が空腹を満たすためになっていると、むさぼるように多くの量を口に入れ、あまり噛まずに飲み込んでしまいます。そんな時は「心ここにあらず」の状態です。せっかくの食材。最後まで良く味わうように心がけると、自然によく噛めます。

⑤ ゆっくり食べて過食を防ぐ
食べるスピードが速いと、つい食べ過ぎてしまいます。口の中に食べ物がある状態で、次の食べ物を入れない。噛んでいる間は箸を置くことが効果的です。

⑥ 食事を抜かない
 食事が不規則ですと、食べ物に対する注意深さを維持することが難しくなります。規則正しい食事で、マインドフルに食べる習慣づけが大切です。

⑦ 野菜中心の食事
 マインドフルに食べることは、そのひとつひとつの食べ物の影響などの気づきも増してきます。加工食品が段々減り、野菜中心の健康的な食材を選ぶようになってきます。

参考図書

1) ウィリアム・ハート, ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門―豊かな人生の技法, 春秋社 , 1999
2) 久賀谷 亮 , 世界のエリートがやっている 最高の休息法 ―「脳科学×瞑想」で集中力が高まる, ダイヤモンド社, 2016
3) ティク・ナット・ハン (著),大賀 英史 (翻訳), 私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方 (仏教とハーバード大学が勧めるマインドフルネス) ,サンガ, 2018

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