食欲不振と胃の六つ灸

梅雨の季節には食欲がいまいちわかないという方も多いかと思います。
気温の変化が大きく、湿度も高くなり体調も乱れがちになってきます。

内視鏡検査などで特に異常がないのに、腹部の不快感や膨満感がある場合は機能性消化不良である場合があります。このように検査で異常がないのに、なんか症状が続くというような状態では、中医学が効果的であることがあります。

食欲がない、胃もたれなどの腹部症状には昔から「胃の六つ灸」が良いとされています。

胃の六つ灸

膈兪(かくゆ):第7, 8胸椎の間から指二本分両外側
肝兪(かんゆ):第9, 10胸椎の間から指二本分両外側
脾兪(ひゆ) :第11, 12胸椎の間から指二本分両外側

左右あわせて6つのツボに灸をするのが効果的なので「胃の六つ灸」と呼ばれます。
ですが、背部のこれらの反応点を正確に探し出し、灸をするのはセルフメンテナンスではちょっと困難です。なのでこのあたりを大まかに温めるのがオススメです。

背中の真ん中とみぞおちを温めると効果的

薬局にいくと電子レンジで温めて使える「ホットパック」が売っています。これをつかって、肩甲骨の下をあたためるのが効果的。仕事や家事などが忙しくなかなか時間がとれないからこそ、意識的に10分ほど「ふぅ。」と息をつく時間をつくり、うつぶせに横たわって背中の真ん中をあたためます。温かさが背中に浸透し、胃腸も喜んでくれるかもしれません。

背中の真ん中が緊張すると交感神経が胃腸を抑制

このあたりの下部胸椎からは大内臓神経と小内臓神経がでて、腹腔神経節を経由して胃腸へと交感神経が分布しています。日々のストレスなどで背部全体の緊張が高まることで、交感神経系も緊張がたかまって消化管の動きが抑えられてしまうのかもしれません。

膈兪, 肝兪, 脾兪を温めて緊張をといてあげることによって、高ぶった交感神経活動が正常にもどって、同時にリラックスの神経である副交感神経も高まることが期待されます。

少し長くなってしまいました。まとめです。
食欲不振には「背中の真ん中をあたためてみると効果的」
ぜひ試してみてください。

つむぐ指圧治療室におきましても、「ベン石温熱器」で「胃の六つ灸」エリアを深部よりあたため、さらに指圧で首、肩、背中のこりをとり、腹部指圧でお腹全体を整えることで食欲不振にアプローチできます。

肩や腰などの症状だけでなく、慢性的なお腹の症状などもぜひご相談ください。

つむぐ指圧治療室 黒澤一弘

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