大腿三角(スカルパ三角)

大腿三角(スカルパ三角)

鼠径靭帯・縫工筋・長内転筋で作られる三角を大腿三角(スカルパ三角)といいます。この三角の上縁をつくる鼠径靭帯の下には血管裂孔と筋裂孔が開いていて、内側から順に大腿静脈、大腿動脈、大腿神経が並んでいます。大腿三角の下部は内転筋管へと続きます。(大腿動静脈が膝窩動脈へと続くルートとなります)

血管裂孔と筋裂孔

鼠径靭帯のほぼ中央で脈が取れる場所があります。そこが「血管裂孔」の大腿動脈拍動部です。大腿動脈の内側に大腿静脈があります。

また、大腿動脈拍動部より指1本分斜め上が「筋裂孔」で腸腰筋と大腿神経が通過します。触れるとほんの少し膨らんでいて、手応えのあるところが腸腰筋です。

腸腰筋へのアクセスは腰椎の前弯が強いタイプの腰痛にとても効果があります

この部位は腸腰筋に効率良くアクセスできる部位で、腰椎の前弯が強いタイプの腰痛にとても効果がある部位です。腸腰筋は刺激に敏感な筋なので、揉むより持続圧のほうが容易にリリースが得られると実感しています。また、股関節・膝関節を屈曲位にして柔らかく持続圧を加えることで、カウンターストレインの作用も相乗効果として加わり、効果的です。

また、腸腰筋の深層には大腿骨頭が存在します。あまり指圧マッサージの施術所では見られませんが、股関節脱臼の方などでは、この部位を触診すると虚脱した感覚として感じられるといいます。

関連記事

  1. 大腿中央部の水平断面と筋間中隔、筋膜リリースについて

  2. 腹膜と臓器の関係 – 腹膜内臓器と腹膜後臓器

  3. 教材作成は教科書を理解、分解、再構築する科学なり

  4. 梨状筋上孔・梨状筋下孔よりでる脈管・神経(坐骨神経痛との関連…

  5. 骨盤後面の靱帯と大坐骨孔・小坐骨孔

  6. 反射作用による内臓機能調節(骨指標と新デルマトーム/募穴・背…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP