私の考える息・食・動・想  ― 操体法 橋本敬三先生の言葉より ―

今年はいろいろなことが起こった変化の年でした。相模大野にて独立開業したことももちろんですが、治療技術に関して言えば「操体法」と出会ったことがあげられます。治療だけのテクニックではない、人間哲学ともいえる操体法については、これからも研究を続けていきたいと考えています。

操体法創設者の故 橋本敬三先生が残した有名な言葉があります。

イサキ特別号<改訂版>より

自分でなければやれることが
四つある
息と食と動と想は他人に
代わってもらえない
それに皆 天然の法則がある
知らぬと間違う 勉強すること

橋本先生が残された「息・食・動・想」の四つのキーワードは、今でも多くの人の大切な行動指針となっています。私も年末のこの時、自分自身を振り返りつつ、この四つのキーワードについて考えてみました。

まずはじめのキーワード『息』。これは私にとってはマインドフルネスに含まれるものとしてとらえています。呼吸は普段は無意識で行ないますが、意識的にもできます。呼吸への気づきの力を高めることは、自分自身への気づきの力を高めることでもあると考えています。

いつでもどこでも。思考の連鎖を少し手放し、呼吸を観察する。すると、「いま、ここ」が見えてきます。それはいつも楽しく心地よいものとは限りません。辛いかもしれないし、不安かもしれない。息 — 呼吸に気づくことは、そんな自分を今につなぎとめる「錨」のようなものでもある。そう考えています。

日本に住む私たちの周囲には食べ物で溢れています。何を食べるかは常に私たちの選択です。「食べる」という行為は、命の循環としても考えられるかと思っています。野菜・穀物・肉・魚など。ほんの少しの感謝の気持ちを保ち、美味しく味わって頂く。そんなあたりまえのことを私は大切にしています。

気をつけているのは、あまり「加工食品」を食べないこと。また、「〜の症状には〜の食材がいい」というのはほとんど気にしていません。食事全体としての「質」。それは、高級という意味ではなく、自然で丁寧な食べ物であるかということを見ています。

私たちの社会生活では、無理を強いられることが多々あります。辛いことを我慢して頑張る。そんなことも時には必要かもしれませんが、それが長く続くと心身が消耗してきます。

操体法では「心地よい方向に動く」ことを大切にします。身体の中の声によく耳を澄ませます。今に自分にとって必要なことは何か。「心地よく動くこと — 心地よい自然の中で、光や風を感じ、歩いたり、息をしたり、遊んだりする」そんなことを大切にしています。

正しく考え、自分自身・家族、身の回りの人、そして社会へと。調和をもたらし、良い影響を及ぼせるように。そんなことを行動指針としています。正しい「想い」から、正しい「信念」が生まれ、きっと私たちを良い方向に導いてくれるのではと思っています。

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